北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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囲の環境や生徒達の教育期間中の生長等を顧慮に入れて教授し、知識技能を今少し意味あるもの、役立つものにします。(我々は、日本の学校を一つでも多くこの部類に入れることに、漸次成功してきています。)㈢ 更にもつと評判の良い学校では、学生の特殊な適性をみつけて、その適性をのばす為の機会を与えるようにつとめる。そのような学校では、単に有用な知識と技能を教えることだけではなく、生徒の中に発見し開拓していつたらのびそうな要素を発見することに留意するのであります。㈣ 最も評判の良いアメリカの学校では、我々が良識とか公民道徳とか個性とか呼ぶところの人間行為のよりどころが、生徒の学校生活中に育て上げられるような機会を与えるのです。もちろん、これらの学校も他の学校と同様なカリキユラムで動いていますが、優れた教育観の結果として、優れた教育手腕を有する為に、それらの学校に生徒に充実した学校生活を与えるのです。我々が日本を立派な民主主義国として出現させるために、この日本に於て発展させねばならぬものは、この㈢と㈣の種類に属する学校であります。実際使用されている教育方法の殊つかを吟味するには、学校の仕事の中で最も重要な次の十分野を考えると良いでしよう。一、基本的な技能の教授(読み方、書き方、算術)優秀な学校では基本的な技術は非常にうまく教えられる。それは先生達が生徒側の興味をうまくひいてゆくからです。物を習うことに興味を覚えれば、習得はグンと効果的、継続的になります。二、基本的な知識の教授(語学、数学、社会科、科学)優秀な学校では、知識というものは利用価値のある    ものだと信じています。ですから、現在と過去の事柄を知つて観点を広くすることが重要です。優秀な先生は、従つてパンフレツトとか新聞とか雑誌とか本とかを与えて、教科書の補助をするようにします。〈中略〉第2部 教育 第1章 占領下の教育改革824

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