北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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三、生徒に思考することを教えること。我々は、思考することによつて学ぶことを知つています。ですから、優秀な学校では一連の実際の経験事項を教室へ持ちこみます。簡単な一例を示せば、地方新聞に毎週新らしい欄を掲載することです。例えば、校内の交通規則や学校売店に関してまとめ上げて、良い先生は学生をして物事を築き上げ、工夫し、書き、話し合い議論し自分等の活動が活潑になるように工夫させ、かくして生徒の勉強の力をつけます。四、生徒の能力の探究優良な学校では、生徒の能力を探究し発展させるために、ありとあらゆる手段を使います。これらの能力はいろいろな具合にして発見されます。種々のアチーブメントテストや適性検査により、或は生徒にいろいろな試験的経験をさせて、或は生徒の興味を他の分野の仕事に用いて、或は潜んでいる芸術〈中略〉〈中略〉的、創造的能力を発展させることによつて等。五、個性の発達と人柄の調整性格の発達は断片的な経験ではない。それは、生徒の生活の全過程即ち学校並びに家庭、社会の凡ての影響を受けるものであります。ですから、優秀な学校では、学校教育と家庭や社会との実生活との関連調整について十分配慮します。性格は理智的な影響より寧ろ情意的な影響を受けて形成されるものであります。六、健康と安全行為実践により物を覚えるという原則は、特に健康安全の訓育の際に重要なことです。学校がそこで生活するのに健康的な場所でない限り、生徒は健康であり得ず、又健康的な習慣をのばせないでしよう。健康は社会全体の問題でありますから、社会と家庭の協力を確保することが必要です。〈中略〉〈中略〉〈中略〉第2節 占領軍の教育施策への指導825     

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