この大滝村の学校教育基底計画は、教育目標や学習内容の設定にとどまらず、学校・学級相互の役割分担をも組み込んだ、教育実践全体の重層的な構造が示されているプランとして注目に値する。城戸幡太郎の構想である。教育計画づくりに地域の大学及び研究者が大きな役割を担い、地域の発展に必要とされる人材育成を目指すことが示されており、当時の道内の教育研究体制をめぐる将来構想として興味深い。なお、北海道大学教育学部教育計画研究室(教授は城戸)には、北海道総合開発計画の「開発委員会」から資料調査が依嘱されている。【主な参考文献】三上昭彦『教育委員会制度論―歴史的動態と〈再生〉の展望』エイデル研究所、二〇一三年。北海道教育研究所連盟『十五年の歩み』同、一九六五年。前田憲「北海道における公選期教育委員会の事例的研究」『市立名寄短期大学紀要』別冊第一号、二〇〇〇年。資料7は、北海道の総合開発と教育計画の結びつきと、それに資する北海道大学教育学部の使命を示す、学部長の835 解 説
元のページ ../index.html#851