北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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発にとつて教育が重大な使命を有するからである。開発は科学、技術の問題であると同時に、それらを開発の目的に利用する人間の教養が問題である。大学は全体としてそれを問題としなければならないのであるが、特に教育学部の任務は専門の科学者や技術者による研究の成果を一般道民に理解させ開発に従事するものの労働力と生活力との文化水準を高め、開発精神を昻揚して日本の政治的、経済的独立に協力させることである。これが北海道における社会教育と学校教育との任務であると思うが、それらの教育を担当する指導者なり教員の養成が北海道大学の教育学部に負わされた使命であるとわれらは自覚している。従つて教育学部の指導目標は北海道開発のための教育計画の研究とその実現でなければならないと考えている。このたび教育学部の学報を創刊するに当つて先般、北海道総合開発委員会の教育部会で述べた提案の要旨を掲げて一般の御叱正を受けたいと思う。一、教育人口と学校計画小学校、中学校、高等学校、養護学級又は学校の増設が必要である。殊に公立幼稚園の如きは全道に一カ所しかなく、その設置は、開拓者の家庭教育のために必要である。二、総合開発と聚落計画すること。これに伴う僻地教育の計画を立て次の如き目標によつて単級複式学校の改善を図る。1、学校を地域社会センターとして生活文化の総合的2、保健衛生センターとしての診療所、レクリエー    3、学校は生活中心の地域社会学校として経営させる。4、中学校に定時制高等学校を併置する。5、定時制高等学校は職業家庭科を中心とする総合高開発のための人口増加に伴う学校の増設。幼稚園、総合開発の地域計画、特に未開地の開発計画を樹立施設とする。ションセンターとしての公民館、共同作業場を学校と連絡して設置する。但しこれは聚落の形態に応じて漸次分化させる。847第2節 地域教育計画と研究体制

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