2 学校施設の状況千百十万円に比し十四億六千百七十万円の増加となつておつて、この昭和二十六年度当初の教育費予算は概括的に次の特色を持つものである。一般的に骨格予算であり今後の追加を俟つてはじめて完全なものとなる予算であること。学校費については、前項の例外として一応年間総予算的に編成された部分があること。一般道費においては旅費、需(要者はすべて二割節約の方針をとつた中で学校費のそれは除外されたこと。北海道総合開発に即応する教育態勢を整えるための高等学校実業科()程の増設並に綜合制の拡充および職業教育振興のための経費が計上されたこと。高等学校教育の機会均等の措置がとられ且つ学校の分布配置の適正化を計つたこと。(北海道立図書館所蔵)〈中略〉ママ) ママ気候的に恵まれぬ地域性をしめしている本道ではあるが、その施設については特に考慮されているとは言い得ない。これは、開拓当時の移住者が本道の地域性を深く究めず、ただ本州府県そのままの建築設備をなし、そのまま伝統的に今日にいたつたことと、漸く耐寒設備を考える時に至つては経済界の不況に遭遇し理想の建築をなし得ない今日に至つた理由に基ずくものであろう。学校の施設もこれと同様で、戦後ようやくその理想設備を考え、実現の線上にきたもので、その一つのあらわれとして建築のモデルスクールを生むにいたつたことは、僅少の学校とはいいながら今後の学校施設の上に光明を与えているものである。二、北海道の学校施設北海道教育委員会調査課『北海道教育概要 一九五一年版』一九五一年第1節 教育条件整備・教員配置(5) 857(4) (3) (2) (1)
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