さらに五六年の「新市町村建設促進法」による町村合併とともに道内小・中学校の学校統廃合が実施され、以後、七〇年の「過疎地域対策緊急措置法」等に後押しされて急速に進められた。資料から、児童生徒の通学手段が課題になっていることが分かる。バス通学に慣れたとはいえ、特に農業地域は道外とは異なり、家々が集住しない散居(疎居)型の構造ゆえに、その距離や時間が長いのが北海道の特徴といえる。一九七七(昭和五二)年に授業時数が削減され、ゆとりのある学校生活の実現が目指された。そこで生じたゆとりの時間は、体力増進活動、体験的活動等の教育活動に活用することが奨励された。資料11には、道の児童生徒の体力が全国平均を下回った結果を受けて、ゆとりの時間として設けられた「業間」の時間を活用し体力つくりを一層推進していくことが宣言されている。根室市は「地域に根ざす教育」、地域学習の一環として北方領土学習を行ってきた。資料12には、指導に当たっての留意点や検討事項が記されている。北方領土の問題を日本からの視点のみでなく、条約や宣言、民族問題、日ソ相互の関係等、多方面から捉えようとしているところが着目される。なお、この学習は二〇〇八(平成二〇)年に学習指導要領で明示されるようになる「領土問題」、「領土学習」につなげられている。一九九〇年代に入り国際理解教育が推進され、九八年の学習指導要領には「国際化への対応」が明示された。資料資料10は、滝上町の中学校九校が統廃合された当時の状況を記したものである。一九五三年の「町村合併促進法」、第三節 第四節 体力つくりと北方領土学習国際化への対応と学校週五日制882第2部 教育 第4章 小学校・中学校13には、猿払村が姉妹締結したサハリン州の生徒と交流している状況が報告されている。近隣であるロシアの小中学
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