北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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〔占領期間中の被害者実態調査表昭和33年9月調べ  ママ)全調達本部〕進駐軍兵士に対する殺人事件当日〔(昭和二二年五月一一日〕被害者の状能)は松木宅へ仕事に行き午後七時一四分輪西駅発室蘭駅行列車に乗車すべく室蘭市輪西町参条通りより本道を横切り国鉄輪西駅待合室に入らんとする寸前、米軍トラックが東室蘭方面より室蘭方面に向って(右側)を疾走し来る(速度違反)の前記トラックの後部左側車輪に触れ路上に転倒其まゝ引ずられたものである。事故発生と同時に加害トラックで輪西町日鉄元町診療所で応急措置を行て、後市進駐軍兵士による人身被害〈一九四七年〉編者注)全国調達庁職員労働組合「占領期間中の被害者実態調査」(藤目ゆき『占領軍による人身被害調査資料集 第1巻』二〇二一年所収)一九五八年 (態力立室蘭病院に転送入院加療せしめたが同年五月十三日同病院内にて死亡致しました(当事故発生直後MPに連絡報告した)。其後同年一〇月に至り死亡見舞金として金壱仟円を道庁渉外課より受取ましたが当時の送)儀代の一/四〇にも足りない金で借金と五人の子供を養って行かと思った時には何度子供と一処に死のと思った事か分りません。まるで昔の士農工商時代の切(拾御面の時代と何等変る事なく弱い者は何時の時代にも、ないて暮さなければならないのかと思った時には加害者をころしてもまだ足りない思ひで民主時代の今日でも当時の気持と何等変りません。現在壱百万円の金を積れるよりも死んだ夫を返してほしい位いです。外にもっと書たい事が多()久山有ります。『北海道新聞』一九四五年一二月三〇日(北海道立図書館所蔵)(ママママ第六節 進駐軍兵士の不法行為と対進駐軍不法行為74第1部 社会・文化 第1章 終戦直後の混乱と生活13 12 

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