5 長期欠席児童藤先生が教職経験数年の熱心な青年教師故四年以上の指導をまかせ、小生が三年以下の指導に当る。ところが両者共に単級には未経験者、それに児童も経験無しときている為、学習が仲々スムーズに進まない。一教室に先生が二人で声と顔の交錯、そこで思い付いたのが教室を二分してカーテンを張ることだつた。違法とは思うが仲々具合が良い。一斉指導の場合はカーテンを開けばよいわけ。催し物の際には幕として活用も出来る。扨て教具が無い。開校式当日の約束通り紙と筆の教具が作られはじめた。児童の手になる作品もどんどん出来た。壁と云う壁にどし貼られる。廊下と云わず、玄関と云はず、しまいには便所も一面の貼附物、数えてみたら百枚以上、今では貼り切れず整理保存、随時活用の分も多数出来ると云つた有様である。だんだん楽しい学校に育つてくる。然し引揚当時の苦労と荒んだ生活が児童の身に沁みているのか、言語行動が非常に悪い。荒んでいる。愛と協力を教育目標に掲げ〈中略〉たのも其の為である。今日まで遅々として効果の見えないのは指導力の不足。出席率は年々向上して来ているので力を得ているがまだまだ努力が足りない。(初年度九三・○四、次年度九五・三六、本年は尚上廻ると思う)この調査は文部省の企画により、全国小中学校在籍児 〱したもので、その目的は戦後逐年学生犯罪事故が増加す生徒を対象として一昨年度より年次悉皆調査として実施る傾向にある実況から人格の基礎陶冶の場としての義務教育期間における長期欠席児童生徒の指導の適否が、こ長期欠席児童生徒調査の結果について一、この調査の目的北海道教育委員会『教育月報』五巻四号道教委行政課調査統計係 (北海道立図書館所蔵)一九五四年七月892第2部 教育 第4章 小学校・中学校
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