北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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少年の兇行 札幌のM・P殺害事件米軍第九軍団司令部では去る十九日深夜札幌市に起きた米軍憲兵刺殺事件に関して二十六日発表した。十九日午前二時半頃札幌市北二条西一丁目米軍第九四五高射砲隊憲兵宿舎附近路上に同隊員一兵士の刺殺死体があるのをジープで巡邏中のM・P隊員が発見、急報により札幌署司法主任小林警部補以下が現場に急行、調査の結果、同宿舎雑器具倉庫に窃盗に入つた犯人の仕業と睨み道庁刑事課の指揮で現場に遺留してあつた風呂敷から犯人を市内少年保護団体興農塾の塾生と推定、翌二十日午後にいたり下手人長野県生れ田山勝男(一八)と同夜窃盗に入つた本籍千歳郡千歳村出身清川辰三(一七)、本籍積丹郡余別村出身安田定三(一七)―いづれも仮名―三名の塾生を検挙した。犯人らはいづれも窃盗により少年審判所から興農塾に保護を委託されてゐたもので兇行数日前から連夜共謀して市内の米軍宿舎で窃盗を働いてゐたもの、同夜も前記米軍倉庫侵入を発見されて動顚倉庫で盗品を物色中を米兵士に発見されて逃走を企てたが追跡され捕へられようとした際、田村が倉庫から窃取してきた双刃の米軍用機銃銃剣で下腹部を一突きして殺害したものである。なほ米軍では近く軍法会議によつて処断することになつた。〔(記事中、仮名と実名が混在している。〕編者注)75第6節 進駐軍兵士の不法行為と対進駐軍不法行為   

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