9 公害教育室蘭市教育委員会『公害教育に関する指導資料 公害教育に関する指導資料の発刊にあたり本市の学校教育の中で公害問題をとりあげるのは、今にはじまることではない。手もとにある本市小学校の基底となる教育課程の四○年版の中に、社会科三年(これからのむろらん)同じく五年(工業の発達)の単元の中で、公害問題にふれることになつている。四三年版では、特に五年の(国民生活の向上と産業)の単元で、目標に「産業の発達に伴う公害の問題に目を開かせ、働く人々の健康や安全の問題について関心を高める」と示している。小学校三、四年の児童に使用させる本市発行の社会科公害教育と学校統廃合―小学校指導用―』一九七一年室蘭市教育委員会学校教育課 副読本「わたしたちの郷土」の中にも四一年度版から、公害に関する記事を本文の中にとりあげている。これらのことは本市の郷土に関連する問題として、社会科の学習の中でとりあげられてきたのであるが、四六年度より改訂学習指導要領が実施されるに当り、公害問題を通じて、子どもたちの人間形成に役立つ次元にまで昇華された形で公害教育を推進したいと考え、本格的なとり組みを開始したのである。改訂指導要領に準拠した小学校新教科書の採択を四六年七月に終了し、「公害教育研究委員会」の発足をみたのは、八月五日であつた。精力的な研究討議をかさね、公害教育に関する全体構造のまとまつたのが一二月末で、この間、胆振教育局、保健所、市企画部、市内企業を訪ね、委員の本州先進都市派遣等を進めてきたわけである。具体的な指導内容は申すまでもなく「本市小学校教育 わけではない。課程」の中の社会科、理科、体育科、家庭科等の中に織り込まれたのであつて、特別な領域を設定して指導する902第2部 教育 第4章 小学校・中学校(2)
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