〈中略〉1.研究所の任務当研究所の目的 主として道内僻地の学校教育・社会教育に関する基礎的応用的研究を行い、それらの教育の充実向上に対する効果的方策の樹立推進に有力な資料を提供しようとするものである。2.研究所の沿革昭和二四年五月三一日、国立大学設置法によつて、北海道学芸大学が設置され、田所哲太郎が初代学長に補せられた。本学の目的とするところは、「学術の中心として広く知識技能を授け、豊かな教養を与えるとともに深く専門の学芸を教授研究し、特に教育に関する理論及び実際の研究を指導しもつて平和的、民主的国家社会の形成に寄与するにある」。社会的職能としては、主として教員養成をつかさどるところに使命をもつている。また、北海道は、近来新日本の国土開発の基盤として北海道学芸大学僻地教育研究所は、重要視されてきたので、大学の使命と地域社会の要求から、開発地における教育の振興と教員養成を本学の研究課題とする構想がかかげられるに至つた。それで、昭和二四年六月一日、ユニバシテー・エキステンシヨン(大学拡張奉仕)として、北海道学芸大学教育研究所が設置され、研究機関誌としては、「教育開拓」第一号が発刊された。またその事業の一部として、僻地教育指導のために、小さい学校(単級複式学校)を対象として、地方巡回指導(移動教室)を実施した。昭和二七年三月二八日、「教育開拓」第三巻第三号を刊行し、通算一二号を重ねるに至る。昭和二七年九月三○日、北海道として学芸大学拡充に対する補助金によつて、教育研究所および通信教育本部を収容する新建築の落成が見られた。建坪五九坪、延坪一一八坪、二階建の規模である。なお、前述の所名を、北海道学芸大学総合教育研究所と改めた。昭和二八年二月二五日、研究機関誌「教育開拓」を発 第2部 教育 第6章 へき地教育954
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