9.精神薄弱児教育精神薄弱児とは精神遅退児又は低能児ともいわれるものであつて、知能指数七九以下で学校で教育しうる範囲の生徒・児童のことである。これは全国でも約二パーセント、五十人の学校で必ず を考えるならば、これらの特殊な不幸な子供たちの教育一人はいるといわれ、本道においても目下調査中である。これらの生徒児童は、普通の学級では取扱いがはなはだ困難であるので、ほとんど「お客様」であり、「忘れられた子」である。しかし教育の機会均等、教育の民主化の振興を図ることは重要なことである。本年度はこの方面には十分とは出来なかつたが、道立教育研究所及び道特殊教育の機会拡充北海道教育委員会『北海道教育行政概要 二十四年度』一九五〇年昭和庁とも協力して、研究と指導に当つた。来年度は特別学級も設置して不幸な生徒児童の教育を行い、民主的教育の徹底を期したいと考える。にも等しく義務教育が施行された。本道においても従来私立校にのみ任されていたこの教育を、一挙に十二校を道立へ移管するなど種々努力しているのであるが、実情は思うに任せぬことが多い。たとえば盲ろう児の就学率は今なお本道では三二パーセントにすぎず、普通児の百パーセントに近い率とは勿論のこと、全国盲ろう児の六四パーセントに対しても、まさに二分の一という状態である。討してみると、先ず奨励費であるが、本年度は寮生に対して困窮者につき月約五百円交付されているが、月盲ろう児は均等に教育をうけているか。昭和二三年四月から新憲法の趣旨に基ずき盲ろう児就学奨励策は充分であるか。ついては就学奨励策はどの程度行われているかを検2 特殊教育の就学奨励等の考え方(2) 969(1) 10.特殊教育研究(2) 第1節 戦後特殊教育の黎明
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