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河野常吉資料(野帳)

河野常吉(こうの つねきち 1862 ~1930)は、長野県出身。松本師範学校を卒業後、福島学校長を勤め、上京して慶応義塾に学ぶ。

秋田県小真木鉱山、新聞社、長野県庁、東京中央気象台等に勤務の後、1894年(明治27)に北海道に渡り、北海道庁嘱託となり、拓殖事業に携わる。

道内各地はもとより、千島や樺太の現地調査を行った。

『北海道殖民状況報文』『殖民公報』『北海道拓殖要覧』をはじめ、拓殖事業に関する多数の刊行物の編集を手掛けている。

研究分野は、考古、歴史、気象、地理、生物学等多岐にわたり、北海道の生き字引と称された。1915年(大正4)に開道50周年記念事業の『北海道史』編纂主任となり、第1巻(江戸時代末までの通史)、同附録地図、年表統計等、3冊を著した。

第2巻も脱稿したが、事情により辞職し、未刊。その後、北海道史跡名勝天然記念物調査委員、小樽図書館長等を歴任。

当館所蔵の『河野常吉資料』は、前述のとおり、氏が長年の実地調査や、多分野にわたる研究の中で採録した資料、収集した写本・稿本類、雑誌・新聞の切抜資料等で、そのほとんどが氏の自筆、校訂、編集に関与した資料。内容は、抜粋・日誌・覚書・写・控・下書・草稿など。

「野帳」は、氏が明治20年代の後半から大正にかけ、北海道開拓の最盛期に、全道各地を精力的に実地調査した際のメモ(フィールドノート)。

北海道史、市町村史、地域史研究のための一級資料となりうる。一部は日記と併用されたものもあるが、日記使用割合の少ないものは、野帳に含めてある。

関秀志氏の講演録「河野常吉のフィールドノートと地域史研究」『北の資料 120 特別号』(北海道立図書館 2008.3)も参照されたい。